どの部署にも共通の4つの型(処理する、答える、書く、見つける)を聞き、開発や制作の部署には「開発する」「素材を作る」を足します。部署のレベルは、答えた型の真ん中の段です。ただし、ルール・環境・測定・記録の土台が足りない時は、型が進んでいても次の上限で止まります。「わからない」は満たしていないものとして数えます。
6つの型と6つの段の全体を見る
太字が段の言葉で、灰色の文字が例です。公開事例の付いた例は公開事例に近いもので、全部の条件を満たすとは限りません。印の無い例は編集部の推定です。36段のうち公開事例に近い例は7段です。「開発する」と「素材を作る」は、その仕事がある部署にだけ聞きます。
処理する書類を読み、基準に照らして、入力する
入る仕事請求書、経費精算、注文書、申込書類、各種の申請
0未使用
人が読んで、照らして、手で入力する
例:請求書を見て会計システムに入力する
1個人の補助
迷った時に、各自がAIに聞く
例:分からない勘定科目を担当者がAIに聞く
2部署の型
問い方と、入れてよい情報を部署でそろえる
例:科目の相談に使う指示文を共有する
3工程に入った
AIが案を作り、人が全件確認する。修正した割合を測る
公開事例東急×NTTデータ:AIが伝票を起票し、利用者がAIと対話しながら確認して直す(検証)
4自社データで動く
過去の処理と照らす。基準を満たす分は抜き取りで確認する
公開事例AMBL:新しい伝票を、過去3年分の仕訳と会計原則・税法のルールに突き合わせて確かめる(試験運用)
5任せている
基準内は自動で処理し、例外だけ人が見る。記録が残る
例:定型の注文は自動で登録し、新しい取引先だけ人に回す
物差し1件の処理時間、修正した割合
人が手放さない所新しい取引先、金額の大きい支払い、例外の判断
AI-OCRによる読み取りの自動化は、LLMとは分けて見ます。ZOZO×sweeep(月初の締めが7営業日から3.5営業日)や花王ビジネスアソシエ×Remota(60分から10分)の大きな数字は、この読み取りの事例で、発表に生成AIの記述はありません。
答える社内の知識を探して、答える
入る仕事規程の問い合わせ、ヘルプデスク、製品の質問、過去のトラブル探し
0未使用
人に聞く。文書は人が探す
例:過去の不具合をベテランに聞く
1個人の補助
一般的な質問に、各自が使う
例:制度や技術用語の意味をAIに聞く
2部署の型
入れてよい文書を決め、決まった形で使う
公開事例Zenken経理部:マニュアルや社内規定を読ませた専用GPTを作る
3工程に入った
窓口を手順に入れ、人が回答を点検する。件数を測る
例:規程の窓口を社員に開き、経理が回答を点検する
4自社データで動く
社内の文書を探して、出典つきで答える。決まった問題で採点する
公開事例日立 大みか事業所:過去のトラブル検索が60分から5分に
5任せている
答えた先の手続きまで進める。人は例外を見る
例:申請の誤りを見つけ、案内と差し戻しまで行う
物差し調べる時間、正しく答えた割合、問い合わせの件数
人が手放さない所規程の解釈の変更、顧客への約束、安全に関わる回答
書く材料をまとめて文書にする、要約する、訳す
入る仕事報告書、月次コメント、提案書、議事録、手順書、開示資料、要約、翻訳、校正
0未使用
人が一から書く
例:Excelを見て月次のコメントを書く
1個人の補助
文章を整えるのに、各自が使う
例:報告書の言い回しを直す。メールを添削する
2部署の型
文書の型と指示文を共有する。入れてよい情報を決める
例:8Dやなぜなぜの型を指示文にする
3工程に入った
手順書に「下書きはAI」と書く。人が全件直し、時間を測る
例:試算表から月次コメントの下書きを出す
4自社データで動く
過去の文書や社内データを参照して下書きする。決まった文書は点検だけにする
公開事例日立 大みか事業所:対応レポートの作成が120分から15分に
5任せている
材料集めから確認依頼までAIが進める。確定は人が行う
例:4Mの変更を受けて、影響する標準書の改訂案と承認依頼まで進める
物差し作成時間、直した量、差し戻しの回数
人が手放さない所文書の確定、社外に出す判断、開示の責任
見つけるデータから、異常や原因の候補を出す
入る仕事差異分析、故障の原因、品質の傾向、問題ラインの発見
0未使用
人が表を見比べ、経験で探す
例:日報と班長の感覚で問題のラインを探す
1個人の補助
各自がデータを貼って聞く
例:差異の数字を貼って、原因の仮説を聞く
2部署の型
入れてよいデータと、分析の指示文をそろえる
例:原価の差異コメントの型を共有する
3工程に入った
人がデータを取り出してAIに渡し、定期の資料を作る。時間を測る
例:生産データから朝の資料の下書きを作る
4自社データで動く
社内データを直接参照して候補を出す。詳しい人が答えを採点する
公開事例ダイキン×日立:図面と保全記録から故障の原因と対策を返す(試験運用)
5任せている
AIが定期的に異常を知らせ、人は事実を確かめて判断する
公開事例旭鉄工:問題のラインをAIがSlackに投稿し、係長と班長が現場で確かめる
物差し見つけるまでの時間、候補が当たった割合
人が手放さない所原因の確定、止める・再開する判断、現場での事実確認
開発するコードを書き、直し、確かめる
入る仕事機能の実装、不具合の修正、テストの作成、コードレビュー、ライブラリの更新、社内ツール
0未使用
人が書き、人がレビューする
例:仕様書を読んで、手でコードを書く
1個人の補助
補完やチャットを、各自が使う
例:エラーの意味をAIに聞く。補完で関数を書く
2部署の型
使ってよいツールと、外に出してよいコードの範囲を決める。指示や規約を共有する
例:リポジトリにAI向けのコーディング規約のファイルを置く
3工程に入った
AIの変更も人が全件レビューし、テストを通す。手戻りと作業時間を測る
例:小さな修正はAIが下書きし、レビューで直した量を記録する
4自社データで動く
社内のコードと設計書を参照して、課題から変更案とテストまで作る。決まった課題で正しさを測る
例:課題の票から変更案を作り、自動テストの結果を添えてレビューに出す
5任せている
決まった種類の課題はAIが修正から確認まで進め、人は取り込むかを決める。権限と記録が残る
例:ライブラリの更新は、テストが通ればAIが変更を出し、人が承認して取り込む
物差し作業時間、レビューで直した量、手戻りと不具合の件数
人が手放さない所設計の判断、本番に出す判断、秘密情報と権限の扱い
素材を作る画像、音、映像の素材を作る
入る仕事コンセプトアート、背景、アイコン、効果音、仮のボイス、広告の画像、動画の編集
0未使用
人が一から描く、録る、編集する
例:コンセプトアートを手で描く
1個人の補助
アイデア出しや下描きに、各自が使う
例:構図の案を生成して、描く前の参考にする
2部署の型
使ってよいツールと、作品に出してよい範囲を決める。権利の扱いを確かめる
例:社内の確認用には使い、製品に出す素材には使わない、と決める
3工程に入った
制作の手順に入れ、人が全点を手直しして権利を確かめる。作業時間を測る
例:背景の下塗りや仮のボイスをAIで作り、本番の前に直すか差し替える
4自社データで動く
自社が権利を持つ素材や画風を参照して作る。決まった基準で品質を確かめる
例:自社の素材だけで調整した生成の仕組みで、量の多い差分の素材を作る
5任せている
量の多い定型の素材はAIが作り、人は採否と仕上げを決める。どの素材にAIを使ったかの記録が残る
例:広告の画像の背景の差し替えをAIが行い、人が抜き取りで確かめる
物差し1点あたりの制作時間、手直しの量、差し戻しの回数
人が手放さない所表現の決定、権利の確認、作品や広告に出す判断
どの型にも入らない仕事もあります。研究の発想、企画の壁打ち、現場の手作業は、この診断の対象から外しています。
基準 v0.4 は、公開されている事例と調査から編集部が作ったたたき台です。確認日 2026-11-07、次の見直し 2027-02-01。段の言葉や例が実態と合わない時は、取材・寄稿のご相談から知らせてください。